メンタルが弱くてもストレスを減らせるトレーニング【認知行動療法って?】

2020年1月22日レビューや体験談

ストレスを減らせるトレーニング - 認知化学療法メンタルが弱い人でも、ちょっとしたコツを意識するとストレスを減らすことができる。
そんな、少しラクに生きられるトレーニングがあったら、やってみたいと思いませんか?

私は以前、いわゆるうつ状態になり、会社も退職して通院していたことがあります。
いやー、メンタル弱いっす。正確にいうと症状名は鬱ではないのですが、そこは本題ではないので省略しますね。

そんなわけで病院のリワーク(職場復帰)プログラムに通ってましたが、そこで学んだのが「認知行動療法」(CBTと略されます)です。

認知行動療法というと、鬱など精神症状の治療法というイメージがありますよね。
でもじつは、日常生活でストレスを減らしてラクに生きるのに役立つトレーニング法としても、世界中で使われています。

この記事では、自分で学んでストレスがちょっと減った経験から、認知行動療法の紹介と、日常生活に役立てるコツを説明していくので、役立ててもらえると嬉しいです。

 

認知行動療法とはなにか

そもそも認知行動療法ってなに?
分かりやすくヨロシク

ですよねー。
私もトレーニングに参加するまでは、認知行動療法ってどんなものか知らなかったし、むしろ間違ったイメージを持ってました。

まずは、認知行動療法がなんなのか、簡単に説明します。

※学術的に正確な用語とかよりも、日常生活で役立てるコツをメインに説明していきます。

 

認知行動療法は行動を改善するためのトレーニング

人間が何かをするときには、「認知」と「行動」という2つのステップがあります。

認知 → 自分の置かれた状況を認識する
行動 → 認識した状況に応じて何かをする

これがうまくいってるときは問題ないです。
でも、ストレスがマッハな状態だったりすると、「いろいろうまくいかない!」ってときもありますね。

思い込みなどで認知が歪むと、恐怖や焦りなどマイナスの感情に支配されることもあります。
焦ってなにか行動すると、状況が余計に悪化したり……というのはあるあるです。

認知行動療法は、この「認知」と「行動」を改善して、状況をより良くする方法を身につけるトレーニングです。

次はそれぞれのステップごとに、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

ステップ1:「認知」を改善して新しい考え方を見つける

図にしてみると関係が分かりやすいので、例をあげるとこんな感じです。

CBT基本モデル(ホラー映画の例)

この相関図は、CBT基本モデルと言われるものです。

図の左側が環境で、「私」のまわりで起こった出来事と考えてもらって大丈夫です。
この場合だと、気になってたホラー映画を見ているときに、ストレスを感じる出来事に遭遇しましたね。

環境(出来事)▶ ホラー映画を見ていたら、部屋の隅でガタっと音がした。

そんな怖いならホラー見るなって話はおいといて、右側はそのときの「私」の反応(ストレス反応)です。
反応には認知」「感情」「身体反応」「行動の4つがありますが、これらはそれぞれ相互に影響しあってます。

認知 ▶この部屋にも悪霊がいるかもしれない…と思ってしまった。
感情 ▶恐怖・焦りを感じた。
身体反応 ▶背筋が寒くなり息苦しくなってきた。
行動 ▶布団の中に逃げ込んだ。映画は最後まで見れなかった。

ガタっと音がしてから布団の中に逃げ込むまで、ノンストップでめちゃくちゃ相互作用していますよね。
せっかくレンタルした映画も最後まで見れませんでした。

あ、リアルの私はホラーが苦手なので、ホラー映画は絶対見ません。この例はフィクションです。

 

さて、この負の連鎖のなかで、自分で何とかできたかもしれない部分はどこでしょう?

もとはと言えば環境が原因なのですが、これは自分ではなかなか変えられないことが多いです。
「聞かなかったことにする!」としても、ガタって音がしたの聞いちゃいましたからね…。

焦る気持ちを抑えこんだり、恐怖を意志の力で克服したり、そんなことができるのは鉄のメンタルもった人です。
私には、そんなことできません笑

負の連鎖を引き起こしている要因のうち、自分でなんとかしやすい部分が「認知」です。

「行動」は「認知」のあとに来るものなので、まずは「認知」です。

 

ここで私が、ガタっという物音を聞いて、次のように考えたらどうなるでしょうか。

「悪霊がいる…なわけあるかい。いいところなんだから映画に集中しなくちゃ」

CBT基本モデル(ホラー映画の例2)

少し状況が良くなりましたね。
まあ、これが良いのかはともかく、ホラー映画を見たいという最初の目的は達成することができました。

これが認知の改善で、考え方を変えてみるだけで、状況は少し良い方向に進んだりします。

 

ステップ2:新しい認知をもとに「行動」を改善する

認知を改善しても、行動が以前と変わらなければ状況は良くなりません。

次のステップは、「新しい考え方(認知)」をもとに状況を見なおし、「新しい行動」をとることです。

先ほどの例でいうと、せっかく新しい考え方にたどり着いたのに、そのあと結局映画を見るのをやめてしまったら、最初の目的が達成できませんね。

状況が少し良い方向に進んだのは、「認知」を改善するとともに「行動」も改善して、新しいアクションをおこしたからです。

 

理屈はこれだけです。

あれ、やることはけっこう簡単なんだ

そう思いませんか?

ストレス感じるたびにカウンセリングなど受ける必要もないし、身につければ自分でできる方法です。

 

補足:認知行動療法には弱点もある

なのですが、それがなかなか出来ないから難しい…。

認知行動療法の弱点はここで、「誰でも明日からストレスフリーな毎日!」のような魔法じゃないってことです。
何度か「トレーニング」という言葉を使ったように、認知行動療法は継続的に時間をかけて身につけるテクニックです。普通に数ヶ月とかかかります。

私も最初は、何をどうすれば新しい考え方ができるのか、分かりませんでした。
ただ、ことあるごとに、

そうだ。CBTしよう

といったん立ち止まって、状況を見直して行動に気を付けているうちに、すこしだけ前よりもストレスで悩むことが減った、ような気がします。

 

認知行動療法は、本来のトレーニング手順を踏んで進めるとけっこう面倒です。

今の状況を確認するワークシートを書いたり、頭に浮かんだ考えをいくつも書きだして検討したり、アクションプランを作ってみたり。
生活しながら毎回そんなんやるのは、ぶっちゃけ厳しいっす。

なのでこの記事では、ざっくりと簡単に日常生活へ役立てるコツを説明していきます。

知っているだけでも考え方の幅を広げるきっかけになるので、何かのときの助けになりますよ。
これは自分の経験から断言します。

 

 

日常生活で認知行動療法を実践するやり方

それでは、例として私が実際にワークで検討した状況を使いながら、説明していきます。
ワークをやって気づいたコツも書いておくので、自分の状況に当てはめてながら、読んでみてください。

 

手順1:ストレス状況下では思考を一時停止する

いま私は、次のような状況にいるとします。

出来事 ▶重要なプロジェクトの顧客プレゼンが、数日後にせまっている。

CBT基本モデル(顧客プレゼンの例)

その極上のストレスの中で、私はこんな感じの行き詰ったストレス反応してますね。

認知 ▶うまくプレゼンする自信がない…失敗したらどうしよう。
感情 ▶恐怖・焦りを感じた。
身体反応 ▶冷や汗がでる・頭がボーっとする
行動 ▶ネットで何かヒントを探そうとして、関係ない記事ばかり読んでいる。

ストレス状況下では、ネガティブな考えに囚われて(良くない認知)、行動もうまくいかなくて(良くない行動)、状況が悪化して、さらにネガティブな考えになることがあります。
メンタルの負のスパイラルという状態です。

 

こんなときは、思考を一時停止しましょう。

これがコツ
じつはここが一番の難所でした。
ストレス状況下にあるときは、パニックに近いです。そんなときに考えても改善なんてできないので、私はとりあえず思考を一時停止することを目指しました。

「思考停止したら改善はできない!」って指摘もあるかと思いますが、このあとたくさん思考するので大丈夫です。

まずは思考停止して、メンタルの負のスパイラルをいったんぶった切ります。

他のことを考えるのでもいいです。帰ったら昨日買った牛肉でビーフシチュー作ろうかなー、とかでもいいです。
外に出られるなら、階段を全力ダッシュするのもわりと効果ありです。

ストレスのもとが上司の説教だったら、「あー、このカボチャなんか喋ってる」とか逃避しちゃいましょうか(冷静になってからリカバリすればよいので)。

いったんネガティブな思考から離れたら、次の段階に行きましょう。

 

手順2:状況を観察して新しい考え方をしてみる

ネガティブな思考をいったん止めると、少し冷静に状況を見なおせるようになります。

このとき、マイナスの感情が出てきても、とりあえず横に置いとくようにしてください。
感情はおいといて、ちょっと引いた視点から、状況を観察してみる感じですね。

 

先ほどの「失敗したらどうしよう」とは違った見方ができないか、思いつくままに考えてみます。
ポイントは「思いつくまま」で、無理に解決しようとか考えなくて大丈夫です。現実味がないことでも良いですよ。

スティーブ・ジョブズの霊が降りてきて力を貸してくれれば、うまくいくかも!

そんな思い付きでもOKです(だいぶ現実逃避してますが)。
考えながら、思いついたことをメモに書きだしていってみると、サイコーです。

 

「新しい考え」が思いつかないときは、「他の人ならどうするか?」という視点で考えてみるのもおすすめです。

これがコツ
自分のことだと、なかなか新しい考え方をするのが難しいです。他人事だと思うとわりと自由な発想が浮かんだりするので、「他の人なら…」という視点は役に立ちます。

職場の同僚だったり、友人だったりでOKです。
「あの人だったらどうするかな?」「どう考えるかな?」というのを想像して、書きだしてみてください。

 

いくつか思いついたら、その中から現実味があって、できれば少しラクになりそうな考えを選びます。

たとえば、私はワークの中でこんな考えを選んでみました。

▼ 新しい考え ▼
資料はみんなで作ったから大丈夫。書いてあることを順に読んでいけば大失敗はしないはず。

うーん…。
「プレゼン下手か!」と思われたとしても、立ち直れないほどの大失敗はしないんじゃないかなー、という気がしてきましたよ。

CBT基本モデル(顧客プレゼンの例2)

ボーっとしていた頭もだいぶすっきりしてきて、まともに考えられるようになってきました。
不安で震えていたさっきまでよりは、かなり希望がでてきましたね。

そうしたら、続いて「新しい行動」を考えてみます。

 

手順3:新しい考えをもとに出来そうな行動をする

さきほど「書いてあることを順に読んでいけば大丈夫」という新しい考えを採用して、少し気分がラクになった私がいます。

もう少し状況を良くしてみましょう。

プレゼン資料の内容を順に読むってことは、書いてあることを暗記するくらい読む練習しておけば、また少し不安が減っていきそうですね。

そこで「何度もプレゼン資料を読んで練習する」という、新しい行動をすることに決めます。

CBT基本モデル(顧客プレゼンの例3)

いっそのこと、声に出して読んでみたり、同僚を捕まえてプレゼンの練習に付き合ってもらうのも良さそうです。

一人でぶつぶつ喋ってたら、ちょっと危ない…と思われるかもしれませんが、それはおいときます。今のこと(=覚えるくらい資料を読む)にだけ集中すればOKです。

これも認知を改善するコツなのですが、先のことはあまり考えないようにすると良いです。

これがコツ
先のことまで心配するとネガティブな考えに陥りがちです。メンタルの低下から抜け出すときも同じですが、そんなときは、今(=目の前のこと)をのことに集中するのがおすすめです。

 

ここまでで、最初の状況に比べたらかなり良くなってきましたね。

行動を改善して実行すると、その先の変化も出てきたりします。
「認知」「感情」「身体反応」「行動」は相互に影響すると話しましたが、新しい行動することで「環境」にも影響がでてきます。

環境がより良くなってくれば、ストレスが減って、さらに認知や行動を改善できるような、上昇のスパイラルが発生しますよー。

 


今日は認知行動療法を日常生活に役立てるコツを話してきました。でも、最初の頃はうまくいかないこともあると思います。

認知行動療法も万能ではないし、とくに、ストレス状況の渦中にあるときは、CBTやってる余裕なんてないんですよね。
てんぱってるときは、正直いって無理っす。

そんなときも「CBT使えねー」と忘れ去るのではなく、ときどきは思い出してみてくれると嬉しいです。
全部は無理でも、ちょっとずつストレスは減らせると思いますよ。

 

最後に、ストレスが多すぎて自分ではどうしようもない…と思ったら、他の人に頼りましょう。
仕事関係だったら、上司や同僚に相談するのが良いです。心療内科を受診してみるのも良いです。心療内科では治療だけでなく、たいていはカウンセリングもしているので。

あまり一人で頑張りすぎると、私みたいに休職から退職へのフルコースになっちゃいますからね笑

それではまた、機会があれば。

Posted by タナカイ