京都・実相院「床みどり」林修先生おすすめの日本庭園に行ってみた!
『林修のニッポンドリル』で絶景の日本庭園と紹介されていた、京都・実相院門跡に行ってみました。京都観光は何度か行ってますが、この実相院には行ったことなかったのです。
事前にいろいろ調べて、すべて楽しむつもりで向かいましたが、お目当てはやっぱり「床みどり」です。テレビで見ても凄いと思ってましたが、実物はまさに「絶景!」と言うにふさわしい景観でしたー。
実相院とはどのような寺院なのか、アクセス方法や実際に行ってみて分かった「床みどり」の魅力など、見たこと体験したことぜんぶ、ご紹介します。
京都・実相院門跡とはどのような寺院か?
いやー、私も『ニッポンドリル』で見るまで知らなかったんですよね。というわけで、この章では、実相院がどのような場所なのか、アクセス方法と行くときの注意点などを説明します。
だいぶ昔ですが、下調べせずにふらっと金閣寺まで行ってみたら、閉まってたことがあってですね…。少なくとも、アクセス方法や拝観時間などは知っておくのが良いですね。
「床みどり」に「床もみじ」四季折々の色鮮やかな日本庭園
「実相院門跡」は京都市内中心部からやや外れた、左京区の岩倉という地区にあります。
鎌倉時代から約800年の歴史がある天台宗の門跡寺院で、その歴史の長さからか、京都のパワースポットに挙げられたりもします。
ちなみに門跡寺院とは、天皇家の血を引く方々が住職を務めた寺院のことで、一言でいうととても格式の高い寺院。これは私も初めて知りました。
今回、実相院を訪れたのは5月の半ばごろです。「床みどり」目当てに行きましたが、秋のシーズンには紅葉した「床もみじ」で有名な寺院でもあります。
また、春には桜が庭園を彩るなど、季節ごとに鮮やかな日本庭園を楽しめます。
観光シーズンには混雑する京都の名所でも、ここは比較的落ち着いていて楽しめるので、ゆっくりと日本庭園を観光したい人にも向いています。
実相院に行くときに注意したいポイント
さて、なぜ比較的すいているかと言うと…..実相院は京都市内の北の外れにあるので、遠くて行きにくいんですよね。市内の他の観光地とあわせて回るには、時間的に厳しいところです。
ですので、次の予定を気にせず楽しめるように、時間に余裕のあるスケジュールを組むのがおすすめです。ぶらぶら市内観光してランチを食べてから、午後はまるまる時間を使って実相院でのんびり癒される。私はそんなプランを立てて行ってきました。
また、不定休で休みがあるようなので、行く前に電話で確認したほうが良いですね。私も念のため、前の日に電話で確認しました。
そして「もしもし、大仙院さんですか?」と寺院名を間違えるなんてミスしたにもかかわらず、丁寧に対応していただきました。実相院さんは仏対応でした。
▼ 京都・実相院門跡の拝観案内など | |
拝観時間 | 9:00~17:00(不定休) |
拝観料 | 大人500円、小中学生250円 |
電話番号 | 075-781-5464 |
住所 | 〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町121 |
公式サイト | http://www.jissoin.com/ |
駐車場 | あり(無料・予約不要) ※ただし一般車両の方のみです。観光バスなどは予約が必要。 |
※上記は2020年4月の情報です。実際に行かれる場合は、公式サイトの「拝観案内」を確認するのをおすすめします。
実相院へのアクセス方法(地下鉄・バス編)
京都市内からは、地下鉄烏丸線と京都バスを利用するのがおすすめです。私は宿泊してたホテルが四条烏丸にあったので、この烏丸線ルートを使いました。
▼ 実相院への行きかた ▼ ・地下鉄烏丸線 で「国際会館駅」まで行く。 ・京都バス24系統・岩倉実相院ゆきに乗り「岩倉実相院」で下車。 |
地下鉄烏丸線の改札を出て、すぐ目の前にあるエレベーターで地上に出ると、バスターミナルがあります。旅先などの知らない場所だと、乗り継ぎなどで迷ったりすることもありますが、これなら分かりやすいです。
ただ、日中のバスはほぼ1時間に2本なので、タイミングによっては30分ほど待つこともあります。京都バスの時刻表は、あらかじめ確認しておいた方が良いですね。
▼実相院へ行くとき
国際会館駅前:時刻表|京都バス株式会社
▼実相院からの帰り
岩倉実相院:時刻表|京都バス株式会社
国際会館駅からタクシーを使う場合は、約1,000円(所要時間10分ほど)で行けます。
※京都市内から実相院へ行くには、四条河原町から、京都バス21または23系統・岩倉実相院ゆきを使う方法もあります。このバスは1時間に1本だけなので、時間には気を付けてください。
▼四条河原町からバスで行く
四条河原町:時刻表|京都バス株式会社
実相院へのアクセス方法(岩倉川のほとり編)
京都バスの時刻表を調べていなかった私は、30分近くバスを待つことになりました。まさかそんな悪いタイミングで駅に着くとか、ふつー思わないでしょ…。
でも、転んでもただでは起きない。悪いタイミングだからこそ気づいた、晴れている日限定のおすすめルートを紹介します。
せっかくの晴天、ただバスを待っているのも勿体なかったので歩きました。国際会館駅から実相院までの所要時間は、ゆっくり歩いて1時間ほどです。結構ありますので、時間や体力と相談してみましょう。
また、ほぼ川沿いなので日陰も少なく、晴れてると日差しがかなり強いです。私は途中でヤバいと感じたので、タオルを帽子代わりに巻いて、お茶を飲んで休みながら歩いてました。熱中症対策は十分にしてください。
※途中で叡山電鉄「岩倉駅」を経由するので、岩倉駅まで電車で行ってから歩くという方法もあります。この岩倉駅から徒歩ルートは、実相院門跡の「交通のご案内」にも記載があったので、そこそこ歩く人もいるのですね。
それでは、国際会館駅のすぐ近くに流れている岩倉川に沿って、北に歩いていきます。

岩倉川のほとりは人通りが少ないので騒がしさもなく、緑と水が豊かでした。川を泳いでいるたぶん鴨を眺めて足を止めてみたりと、いつも騒がしい市街地で暮らしてる私には、癒しの時間でした。

夏の夜には蛍も舞うようで、「蛍保存会」という地元の方々の作ったアピール看板が、川沿いに見られました。でもさすがに時間的に難しい…夜の岩倉川に来ることがあれば、見てみたいですねー。
しばらく進むと、叡山電鉄「岩倉駅」に着きます。ここまでで、時間的に半分くらいだったかなーと思います(時計見てませんでした)。

岩倉駅でひと休みしたら、さらに岩倉川に沿って北に進みます。少し駅を回り込むように迂回する必要があるのですが、案内地図もあったりしたので、迷ったりはしないと思います。
しばらく歩いて行くと、岩倉川の幅もだいぶ細くなっていきます。木立のせいで昼間でもちょっと薄暗い感じで、ちょっと不安に。でも川に沿って歩いていけばOKでした。朱塗りの橋にたどり着いたらそこは実相院への参道なので、左折してあとは道なりに進みます。
まぁ、不安になったらGoogle Map先生に頼ってみましょう。
朱塗りの橋はだいぶ目立つのと、参道は車も通る程度の道路なので、迷ったり通り過ぎたりはしないと思います。
林先生おすすめの実相院、3つの庭園の見どころ
暑さと日差しでギブしそうになったころ、ようやくたどり着きましたよ、実相院門跡。実相院の中は、建物内部の撮影と内部からの庭園の撮影は禁止です。まーね、知ってはいましたが、やはり写真に残したかったな。
2つの庭園(「山水庭園」と「こころのお庭」)は、縁側からであれば撮影可だったので、撮っておいた写真と一緒にレポートします。
日の光と鮮やかな緑で彩られた「山水庭園」
こちらは、緑が鮮やかな「山水庭園」です。
縁側に座って眺めていたところ、蛙が鳴きはじめて、でも姿は見えず……穏やかなひとときでした。
ここはさほど広くないはずなのですが、庭の作りなのか植えられている多種多様な草木のせいなのか、とても奥行きを感じました。
この「山水庭園」はですね、寺宝を眺めながらやや薄暗い建物内部を歩いていき、「床みどり」の観覧場所を過ぎた、そのすぐ先にあります。晴れている日なら、差し込んでくる陽の光と解放感で、少しほんわかできる場所ですね。
ツアーで来ていた年配のご夫婦ともお話してたのですが、「この場所から見るのが素敵」だとか、「この木だけ葉の色が変わっていて面白い」だとか、「蛙どこにいるのかしらねぇ」だとか。小さな発見がいくつもあって面白い、時間がゆっくり流れるような小庭でした。
比叡山を望む「こころのお庭」はスケールがでかい
そして、こちらが「こころのお庭」です。
春先には桜が美しい庭園なのですが、残念ながらシーズンは終わっていました。それに、午後になって建物の影がさしているせいか、なんだか寂しい感じ。
気を取り直して。公式サイトには、目の覚めるような枝垂れ桜が咲いている「こころのお庭」の写真があります。その枝垂れ桜を「つるの間」から眺める特別公開があるのですが、それがとてもビュリフォ。
実相院には、この「建物を額縁のように使って外の景色を見せるフレーム」の間取りが多いですね。「床みどり」「床もみじ」も同じ間取りですが、私はこのフレームがどうも好きなんだと気づきました。というわけで、「こころのお庭」をメインに行くなら春のシーズンがおすすめですねー。
あと、木に隠れてしまっていますが、庭の奥に遠望できるのが比叡山です。私が勝手に思ってるだけですが、この庭園は比叡山とセットで、彼方まで広がる解放感のある景色が好きです。というか、写真ヘタか。
『林修のニッポンドリル』では、比叡山ふくめてもっと雄大な絵が流れてました。実際、テレビの映像を見て、「スケールでかいなー。この庭園も見ておかなくちゃ」と期待アゲしてたくらいなので。うーん、カメラマンの腕の差ですね。残念。
ほかにも、テレビでしか見たことがなかった狩野派のふすま絵や、迫力ある「木造不動明王立像」を間近で楽しめて、見ごたえがあります。不動明王さんはご本尊なのですが、「床みどり」の隣にいたので、行ったり来たりして何度も拝観してました。
個人的におすすめなのが、「竹に虎図杉戸」です。荒々しい虎が描かれているんですが、目がくりっとしてて愛嬌がありました。お気に入りです。
実相院はそれほど広くはなく、混雑するほど人もいませんでした。なので、自分のペースでゆっくり見たり、気になったらまた戻ってみたり。そんな日常を離れたゆるさにも、癒されてきましたよー。
実相院「床みどり」は幽玄なる小さな世界だった
それではー。今回、そもそも京都に行った理由でもある、本命の「床みどり」がこれです。

ここは撮影禁止なので、実相院門跡 公式サイトから引用させていただきました。
まずはぱっと見の感想ですが、色鮮やかなもみじの葉と床に映った緑、そして緑が溶け込んでいくかのような黒い床。この対比が見事です!
写真は撮影用に盛ってあるわけでなく、実際このような感じですね。「思ってたより小さいな」とは感じましたが、観覧用の部屋からであれば、好きな位置に座って眺めることができるので、実物のほうがいろいろな景色を楽しめます。
また、実物の「床みどり」を見て初めて気づいたのですが、両脇と上にある障子が淡い緑色に染まっていて、鮮烈な印象を与えるもみじと床を柔らかく包んでいるようでした。
「こころのお庭」のところでも書きましたが、ここは建物を使ったフレームのような間取りです。同じように映るもみじ(あっちは黒机ですが)で有名な「瑠璃光院」のような派手さはないし、ちょっと小さく感じますね。ネットで見かける、「床みどりにガッカリ」みたいな感想はそのせいかなーと。
でも、私は「床みどり」のこの小ささが気に入りました。小ささが好きと言うと伝わらないかもしれませんが、「建物の黒いフレームの中にこの世界が閉じ込められている」そう感じたんです。
瑠璃光院が、解放され華やかに広がっていく絢爛たる世界だとすれば、実相院の「床みどり」は、漆黒に閉じ込められたどこまでも深く続く幽玄なる世界。詫び、寂びをより体現しているという感じでしょうか。うーん、なんか違いますかね。
まー、少しでもイメージが伝わってくれれば、中二病でもいいです。笑
もうひとつ、最後に。
風が吹くと、もみじの葉がさらさらと揺れます。すると床のもみじが、さざ波に揺れる湖面に映っているかのような幻想的な絵になります。
ふぉ…見に来てよかった…。
と涙が出ます(泣きはしませんでした)。
▼ 11月11日追記
実相院門跡の公式サイトに、山水庭園の葉が紅葉してきたと写真が上がってました。今年の紅葉は去年と同じくらい早いようです。

秋の絶景「床もみじ」も、そろそろ見ごろになってくるのでしょうか。いつか、ほんものを見に行きたいです。
余談:この記事を紹介してもらいました
看護師の方に向けた「ナースときどき女子」というサイトがありまして、じつは、そこのコンテンツでこの記事を紹介してもらいました。
と思ってたのですが…。
「ナースときどき女子」さんは、旅行やグルメ、スイーツなど、看護師の方に役立つ(ときには仕事の疲れを癒せるような)コンテンツがいろいろあるサイトでした。
なるほどですねー。そのサイトの中の、ちょい旅記事というか、庭園特集の記事に紹介されたようです。
いや、あらためて読むと、なんかすごい恥ずかしいんですけど(*ノωノ)
で、この記事、結構いろんな庭園を紹介してくれているんですよね。もう北は北海道、南は沖縄まで。全国制覇しちゃってますねー。
今のご時世、旅行するのはちょっと大変ですが、落ち着いたら行ってみたくなります。紹介されたサイト見てるだけでも、家にいながら楽しめますね。
そしてさらに余談ですが、お気に入りのホテルのお話。高級ホテルとまではいかなくても、ちょっといいホテルに泊まりたいとき、私は「グランベルホテル」を使ったりします(お金あるときだけ…)。
東京のグランベルホテル新宿は何度か使っていて、モダンアートみたいな内装が好きなんですよねー。京都のグランベルホテルはまだ泊ったことがないので、これもいつか行ってみたい。
公式サイトでは「ベストプライス保証」をうたっているので、航空券付きのツアー等でない限りは、まず公式サイトを見てみるのがおすすめですよ。
まとめ
どうでしたか、京都・実相院門跡の3つの庭園。私が感じた喜びや驚きなんかが、伝わっていると嬉しいのですが。
「自分の目で見てみたい!」と思った人は、行く前には次のことに気を付けて、旅行プランを立ててみてくださいね。
- 市街から遠いので時間に余裕をもってプランを立てる
- 利用する交通機関、とくにバスの時間はできるだけ調べておく
- ゆっくり見て回る時間を確保することが実相院攻略のコツ
- 晴れていて、少し風のある日がとてもおすすめ
天気は運にもよりますが…ときどき風が吹く日なら「床みどり」ボーナスのチャンスです!
ともかく、実相院に行く際には、余裕をもって楽しむのをおすすめします。ぜひ、一生忘れられないような景色に出会ってください。
それではまた。
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